コラム
帯状疱疹ワクチンの接種を行いませんか?
2025年4月から帯状疱疹ワクチンが定期接種となっています。ご存知でしょうか?
帯状疱疹とはいったいどのような病気なのでしょう? ワクチンの有効性はどのようなものなのでしょうか?
<原因は? 症状は?>
帯状疱疹の原因は、多くの人が子どもの頃に感染する水ぼうそうと同じ「水痘・帯状疱疹ウイルス」です。水ぼうそうが治った後も、ウイルスは背骨に近い神経に症状を出さない状態で潜んでおり、加齢や疲労、ストレスなどによって免疫力が低下するとウイルスが再び目覚め(再活性化)、帯状疱疹として発症します。神経に沿って、典型的には体の左右どちらかに帯状に、時に痛みを伴う水疱(水ぶくれ)が出現する病気です。合併症の一つに皮膚の症状が治った後にも痛みが残る「帯状疱疹後神経痛」があり、日常生活に支障をきたすこともあります。
主な発症部位は、胸から背中にかけての割合がもっとも多く、全体の約31%を占めています。次いで多いのが、腹背部で約20%です。頭部から顔面にかけての部位と腰から下の部位は、それぞれ約17%の割合です。以上から、帯状疱疹の半数以上が上半身に集中していることが分かります。顔にも発症することがあり、特に目の周りに症状が出やすいとされています。
<なりやすい方は?>
帯状疱疹の発症には年齢が大きく関わり、高齢になると発症しやすくなります。加齢による免疫力の低下が原因と考えられています。疫学調査では、帯状疱疹の発症率は50歳以上で増加し、多くの方が50-70代で、70歳代で発症する方が最も多くなっています。また、50歳代と60歳代では女性の方が男性より多いという報告もあります。また、年齢以外にはストレスや疲れ、重い感染症、免疫力が低下する病気や薬剤(抗がん剤、免疫抑制剤)の服用などがあります。
<水ぼうそう罹患歴のない人は?>
水ぼうそうになったことのない人は、帯状疱疹になることはありません。ただし、実際に日本人では15歳以上の概ね9割以上は、水痘・帯状疱疹ウイルスに対する抗体を持っています。抗体があるということは、そのウイルスが体内にはいったことがあると考えられます。そのため、多くの人が帯状疱疹を発症する可能性があります。
<ワクチンの効果は?>
帯状疱疹予防の目的で開発されたワクチンにシングリックスがあります。シングリックスは、ウイルスそのものを弱毒化した生ワクチンではなく、帯状疱疹ウイルスの表面に存在する糖タンパク質E(gE)を抗原とした世界初の組換えサブユニットワクチンといわれるものです。シングリックスの帯状疱疹発症予防効果は、50歳以上を対象とした試験で97.2%、70歳以上を対象とした試験で89.8%でした。また、発症後の大変な苦痛になりうる、帯状疱疹後神経痛の予防効果も50歳以上で100%軽減、70歳以上で85.5%軽減させるとされています。また、ワクチンの効果は約10年間持続することが確認されています。また、これらの臨床試験により有効性と安全性が確認されています。

<シングリックスワクチン接種について>
うららか内科クリニックでは、予防効果を踏まえシングリックスの接種を推奨しています。
シングリックスは2カ月あけて2回接種(筋肉注射)となります。自費での接種の費用はおおよそ1回・22000円と比較的高額ですが、公費助成がある定期接種(和歌山市の場合1回6000円)の機会をご利用されてはいかがでしょうか。
定期接種の対象者は以下に該当する方が対象です。
- 今年度内に65歳を迎える方
- 60~64歳で対象となる方(※1)
- 2025年度から2029年度までの5年間の経過措置として、その年度内に70、75、80、85、90、95、100歳となる方も対象となります。
※1:ヒト免疫不全ウイルス(HIV)による免疫の機能に障害があり、日常生活がほとんど不可能な方