コラム
2025.12.17
糖尿病
糖尿病とガンの関係
糖尿病があると癌になりやすいのか?というお話です。
日本人の死亡原因の1位は癌であり、全体の死因の1/4に及んでいます。生涯で癌にかかる割合は50%を超えています。
近年、糖尿病と癌との関連が明らかになってきています。日本糖尿病学会・日本癌学会の報告によれば、糖尿病患者さんは糖尿病がない人に比べ、約1.2倍がんになりやすいとされています。
糖尿病は男性においては、胃癌1.23倍、大腸癌1.36倍、肝臓癌2.24倍、膵臓癌1.85倍、腎臓癌1.92倍のリスク上昇と、女性においては、胃癌1.61倍、肝臓癌1.94倍のリスク上昇と関連がみられています。また糖尿病患者さんが、癌になった場合、糖尿病がない人に比べ、生存に関する予後が悪いことも報告されています。
では、なぜ糖尿病だとがんが増えるのでしょうか?
それは、高インスリン状態・高血糖による影響が関連しています。
- 一般に、肥満者の多い2型糖尿病ではインスリンが効きにくくなるインスリン抵抗性が存在します。血糖値が下がるのには膵臓から分泌されるインスリンというホルモンが必要です。インスリン抵抗性があると、体は血液中のインスリン濃度を高めて血糖を下げようとします。一方で、インスリンには血糖を下げる作用のほかに、細胞を増殖させる因子としての作用もあり、高インスリン血症ががんの発生や増殖に関連していると考えられています。
- また、高血糖による酸化ストレス(酸化反応による引き起こされる身体にとって有害な作用のこと)が、糖尿病の細小血管合併症(網膜症・腎症・末梢神経障害)や大血管合併症(心筋梗塞や脳卒中など)を起こすことが知られています。その上、酸化ストレスの増加は遺伝子の本体であるDNAにダメージを与えて、癌に関連する遺伝子の調節に影響を与える可能性が考えられています。
私は、糖尿病患者さんの癌をなるべく防ぎたい、そして、癌をなるべく早期に発見したいと考えています。
予防として、過食や喫煙、過度な飲酒などの生活習慣の是正をまず呼び掛けています。
また、癌の早期発見のために、外部委託によりCT検査などの画像検査を実施しています。必要な患者さんにはCTを撮影していただき、診察室で画像を見ながら患者さんにご説明します。消化器系の癌が疑われた場合は、近くの内視鏡実施可能な施設も紹介しております。そして、癌が見つかれば最も適切な施設を紹介致します。
